明石駅にて

Filed under: Diary / 3月 6, 2009

sany0516
今日所用があり明石まで行きました。夜の10時半待ち合わせだったのですが、小心者故いつも待ち合わせの時間のかなり前に到着してしまう私。この日は特に早く着いてしまい、約束の時間の1時間も前に明石駅に到着してしまいました。
なぜか西方行きは心が躍るもの。明石-加古川-高砂-姫路-相生-赤穂と続く道程は、海もあり山もあり歴史もありちょっぴりミステリアスでもあり、私が住む神戸から実際には近くとも神戸駅から山陽本線に乗る事は私にとって「これこそが旅やな」とつぶやかずには居れない情緒溢れるものであります。

今日出かけた明石駅は実は神戸駅から新快速でひと駅、時間にして15分。海にほど近く、淡路島へと連絡する”たこフェリー”の発着場の最寄り駅でもあり、また言わずと知れた明石ブランドを掲げる魚の棚商店街の最寄り駅でもあります。もちろん情緒は満点。北には明石城、南側には繁華街が広がる典型的な海辺の駅。
さらに明石駅にはもうひとつ重要なポイントがあります。明石駅はJST・日本標準時の根拠となる東経135°線、子午線の最寄り駅であるという事です。

兵庫県の南東部に住む人なら誰もが移動の度にこの子午線をまたいで西へ東へと行き来していますが、体が子午線を越えるその度に皆さん心の中で「ビュワーン」とか「ブシュー」と子午線を超える音を発しているのではないでしょうか?子午線をまたぐという事はなんとなく過去と未来を行き来する様な感覚もあり、そう言う意味ではなんとなく体に悪い様な、でも嬉しい様な。そんな甘辛い兵庫県民特有の感覚でしょうか。
ともあれ時間を持て余した私はあらためて時間の感覚、すなわち地球の回転をダイレクトに感じるためにも明石駅からやや東を貫く子午線を見に行ってきました。

「子午線が見えるわけないじゃないか」と言う人もいるかもしれません。私も以前はそう思っていたのですが、先日知人のMさんから「昼は見えにくいけど、夜になると割と普通に見えますよ。」と教えられ、本当かどうか一度確認してみたかったのです。
国道2号線まで下って左折し、目を凝らしながら東へと歩いて行ったのですが…これがなかなか見つかりません。「あれ?見過ごしたかな?」と思い引き換えそうかどうしようか迷いだしたころ…ありました。私は単純に赤色のレーザー光線のようなものを想像していたのですが、実際にはそういう単純なものではなく、赤と言えば赤、また緑と言えば緑、だからと言って虹色に輝いているわけではなくオーロラの様なものでもありません。もっとシャープで釣り糸の様な雰囲気なのですが、もちろんそれは子午線ですから手に触れても何の感触もありません。光線でもないので手で遮る事も出来ません。ただ線がそこにあるだけです。ダメ元で子午線に向けてシャッターを押しましたが、残念ながら子午線は子午線ですから写真には写りませんでした。線の行方を追って2号線から山側を見ると明石の天文台の時計が見えました。

そこで残念ながらタイムアップ。踵を返し再び明石駅へ、小腹が空いたので駅のミスタードーナツに入り、やはりもうプレーンクルーラーやツイストやシナモンという私が本当に好きなドーナツがもう無い事を再確認。砂糖をまぶした様なチャラけた食い物しか無い事に落胆。思い出の西宮北口のニチイにあったミスタードーナツ。私が小学生のときスイミングスクールの帰りに100円を握りしめてどのドーナツを買うか、味ならプレーンクルーラー、大きさならツイスト…と思い悩んでいたあの頃のミスタードーナツはもうどこにも無いという現実を噛み締め、仕方なくココナツチョコレートを1個だけ購入。それを齧りながら駅のコンコースを北側へ渡り「あれぇ〜横山君ドーナツ好きなん〜?」「ええまぁ。」とか言いながら明石城のお堀端で知人に印刷物の訂正用のシールを手渡し、何となく「ドーナツなんて食うんじゃなかった…素直に明石焼にすれば良かった…」なんて思いながら神戸への帰途につきました。

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