私に優しくするなら今。
※この件は解決しております。神戸市兵庫区の時吉紀彰という男が犯人でした。ご心配いただきました皆さんありがとうございました。
ちょっと下品な内容も含みますし、長いですが今回は許して下さい。
昨日、2010年1月27日、私は正月以来乱れに乱れた生活をリセットすべく徹夜を敢行しておりました。
私が朝の9時半に起きていて、しかも家に居る事なんてことはここ10年間ほとんどありません。
1年間のうちに3日あるか無いかではないでしょうか。要するに100回に1回も無いと言う事です。
私はアパートに入居してほどなく鍵を無くしてしまい、ガールフレンドのN氏とセックスする時以外はたとえアクロバティックな変態オナニー中でも鍵は解放中という、のどかな生活を送っていました。
要するに知人は誰でも気軽に入って来れる、小さくても楽しいお家だったのです。セキュリティ上の問題はあるにはあるのですが、玄関に至るまでの経路が、初めて来る人が口を揃えて「どこへ連れて行くつもりや?」と問うほどに細くて真っ暗な路地になっており、事情がわからない人にはかなり入ってきづらい環境なのです。私は鍵はなくともそんな環境に守られていると思い込んでいました。
徹夜中の9:30AM、小さな音で「カチャ」とドアが開く音がしました。私はてっきりここ2週間、ある誤解から絶縁を突きつけられ、しかしながら全身全霊をかけ、霊的世界のパワーをも使って必死で慰留中のガールフレンドN氏がついに戻って来てくれたんだなと思いました。
N氏来訪時の特徴はドアを開けてまずブーツを脱ぐ、私の家の汚さを嫌って自分専用のスリッパを履く、1Fに不審な痕跡が無いかをチェック、1Fに置いたジャンパーのポケットの中のiPodTouchのチェック、したうえで2Fに上がり就寝中の私に襲いかかる…という手順なので、1Fである程度の時間ガサゴソという音がしているのもそれはいつもの事、私にしてみれば「またやっとるな…」という感覚でありました。
しかしながらあまりに上がってくるのが遅いので「これは何か不審な点を見つけたのか?山火事は小さいうちに消すのが大原則。」と思い立ち、「すぐ、いけますよ。」というセックスアピール的な部分も考慮してシャワーから上がりたてのパンツにTシャツという格好で、要するに半勃ちのノリで階段を下りてゆきました。
しかし1Fに居たのは愛しのN女史にはあらず…
全然知らない男!
全然知らない男(一見バンドマン風)が我がマイホームに!
半勃ち気分が一瞬にして超深刻な戦慄に…かなり怯みましたが、ここで負けたら殺される!と思い「(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…)コラ!なにやっとんじゃ!」と叫びました。すると男は一目散に玄関の外へ飛び出してゆきました。
こっちは階段からでわずかに時間をロスした事、超薄着であった事、はっきり言ってかなりビビった事等を私のスーパー頭脳で総合的に判断し、追いかけるのは諦めました。結果的には深追いせず家にとどまったのが幸いでした。
え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?なんやねん!とかなり狼狽しつつ、何か盗られたものは無いかと慌てて部屋を見回しましたが唯一の貴重品であるギターは無事、無造作に部屋に転がしてあるギター用のフットペダルも無事、特に無くなっているものは無い模様。しかしながら「シュー」と言う不気味な音が部屋の中で聞こえるのです。何の音か?と思い改めて音の方を見ると、なんとガスストーブに至るガスのゴムホースが切断されてガスがだだ漏れ状態!私は生まれた時から鼻炎持ちで手術歴もあり、ほとんど臭いがわからないのです。マジか〜!と思い慌てて元栓を閉め、元栓を閉めたとたんに逆に鳴りだした『ピコピコ』の警告音の中、とにかく110番。どう説明して良いかわからず「泥棒が入った!」と伝え警察の人に来てもらいました。
とっさに泥棒と言いましたが実際には物盗りではなく、ガスのゴムホースを切断。襲撃を受けたとしか思えません。しかも私の家にあったハサミでガスのホースを切っているのです。不気味な事この上ありません。
後で確認したところ110番は9時34分でした。
まず警官の方が2人来ていろいろ事情を説明をしていると、もう来るわ来るわ、どんどんと警察の方がウチに来てくれました。狭い家の中は警察の人で超満員。最初はコーヒーでも煎れたろかなと思っていましたが、人数に負けてあきらめました。指紋を採ったり足跡を採ったり家の寸法を測ったり写真を撮ったり、各部門のプロが狭い家の中をまさに文字通りところ狭しと動き回って下さいました。
小学校時代の番長であった中村君と会う約束をしていたので事情を話し取り調べ等でちょっと時間がずれる旨を伝え、こっちは暗殺者に狙われているわけですからどっちみち家を出たり入ったりするのを独りでは出来ないので、鍵を買いに行って取付けるのにも付き合ってくれと頼みました。ミスタータナカに事件の現状報告をしたところ、すぐに駆けつけてくれるものと思いきや、こともあろうか「さすがですね〜!ハハハ!」と爆笑。なんでやねん。こっちは命狙われてるねんぞ!都市伝説とか稲川の怪談とちゃうっちゅうねん!リアルなの。リアル。リアルにヤバいっちゅうの。さらさらに同情ラブ・アゲインも若干期待しつつN女史にメール。今まさに私を襲っている危機について報告したところ「罰が当たったんやろうな」との厳しいお言葉。中村君は別にしても全体的に同情的な雰囲気はあんまり無かったね。
その後兵庫署に場所を移して調書と被害届を作成するのですが、テンパッてるせいか道に迷い、さらに道に迷いついでにベスパで後ろから追いついて来たMotoDevilの岡田さんに遭遇、これぞ神の思し召しと言うか、適材適所というか、事件後初めて会った知人が岡田さんでした。なんかめちゃくちゃホッとして信号待ちの間バイクにまたがったまま事情を説明し、兵庫署への道を教えてもらいました。
調書を取る段になって私は私が確実に就寝中の時間を狙った暗殺者が来たと思っていたのですが、なんと実際にはゴムホース300円也を破損した『器物破損』と『不法侵入』のみの罪との事。(これには未だに不満があるので後で抗議しようと思っています。識者の方、アドバイスがあれば教えて下さい。)
調書を取る際にいろいろ言うのですが、やはりとっさの事なのでなかなか細部までは思い出せないのです。はっきりと覚えているのは着ていた上着と顔だけでした。パニックになると脳の能力が著しく低下するというシムラ師の言葉を実感した瞬間でした。
ともあれ一通り手続きを終えて中村君と合流しいろいろ話して考えるのですが…たしかに私も丁寧に生きて来たわけでもないのでトラブルが無いわけではないし、私の事を恨んでいる人も居るだろうけど…私の家を知ってる人なんてごくごく限られてるし、少なくとも私の家を知っている人で私を恨んでいる人なんてさすがに思い当たりません。しかし他方考えれば、ガスを私の家に充満させて爆死させるとは?しかもその時間ほぼ確実に私は寝ていて、今のガスは空気より軽いから私が居る上方に行くし、さらに私は鼻が利かず、さらに私は喫煙者で、目覚めて最初にする事と言えばライターに火をつける事…。俺の事を知りすぎている。完璧じゃないか!しかししかし、しかしながら確実にガスの管を切るつもりなら自前の刃物がを持っていて然るべきだし、私を殺したいなら他のやり方も、もっと簡単なやり方もあるだろうし、何にせよガス爆発があればこの長屋の他の人にも危害が及ぶではないか?さすがにそんなマフィア並の豪快な殺しは…私も興味があるのでめぼしい殺人事件の顛末はだいたい知っているけど、日本じゃなかなかないよなぁ。とか。じゃあ恨みと言うより単なるキチガイか?単なるキチガイならまぁそう言う事もあるかもしれないけど、いやいやしかしなんで俺?顔の感じは暗殺者と言うよりキチガイだったかなぁとか。いやいや、やっぱり恨まれてるのか?としたら誰か?引き続き俺は狙われているのか?まだ俺は狙われている。とりあえず鍵をつける。しかも上等の鍵を。上等の鍵は高い。買えない。しかも27日と言えばカードの支払日じゃないか!鍵をつける為にナイス!モーターサイクルで多額のギャラの前借りをする。とにかく今度来たら確実に返り討ちにする。はっきり言って殺したい。でも放火されたら返り討ちにするも何も一巻の終わりよなぁ。いっそ引き払って実家に帰るか。しかし実家に帰っても何も根本的には変わらないわけで、狙われ続ける事に違いは無い。神戸に居る限りもう俺に安息の時間は無い…。とか。
もう悩み地獄です。
ともあれ何にせよ「起きてて良かった。」救いはこの一点です。私が寝ていて、しかも本当に爆発していたら、私の引き起こしたガス漏れ事故で終わっていたでしょう。九死に一生を得た、不幸中の幸い、とはまさにこのことでしょうか?これは神が私に課した試練なのか?はたまた神が私を救ってくれたのか?救ってくれたのならそもそもその男を寄せ付けないでほしかった。
終わらぬ悩み地獄の中、鍵のシリンダーを交換し、まぁコーヒーでも飲んでカフェインをロードして落ち着くか。コーヒーを入れて、中村君とああでもない、こうでもない、と話していると6時頃兵庫署から電話が。
曰く「男が出頭してきました。」とのこと!えぇ〜!マジで!?マジでマジでマジで〜!
この瞬間、すーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと。楽になりました。
事情を聞くと「酔っぱらって気づいたら人の家の中で…大変な事をしてしまったかもしれないが、何も覚えていない。」という男が「謝りたいし、壊したものを弁償したい。」と出頭して来たとの事。警察官曰く「ホースとか弁償してもらいますか?」。アホかと。バカかと。「俺がどんだけ悩んだと思ってるんじゃボケ!ホースなんかどうでもええわい。謝るやとぉ?俺は確実に誰かが俺を殺しに来たと思ってたんやぞ!絶対に許さん!牢屋に送ってくれ!」と電話口で喚きちらしました。
酔っぱらいという可能性は全く考えてなかったので、奇妙に腑に落ちる感じもありました。
さらに「現場確認と本人の確認のため連れて行くので会って欲しい。」と言われましたが、とにかく犯人らしきヤツが出て来たと言う事でかなり気分が楽になったし、やはりちょっと会うのは恐怖感もあるし、Isseki Shirai Comboの練習の時間が迫っていたため後日と断りました。
現状はここまでです。
夜にBar “403 Pacific RECORD”に赴き、兄貴と慕うマタロー氏に報告。しかしながらこっちはこっちでMMS事件の190億円詐欺で逮捕された人がマタローさんと元々ニコイチというほど仲が良かった人との事で超盛り上がり中。マジすか!そ、そうなんすか!?すごいじゃないすか!と、190億円の前では私の死にかけ話もスケール負け。
怖いから昨晩はミスタータナカに泊まってもらいました。思えば本日これが最初の食事。なかなか来てくれないミスタータナカを待つ、心細い東門街・なか卯、24時。ゼブラマン氏と遭遇。これまた顔を見ただけでかなりホッとしました。
MotoDevil岡田氏に続き、ゼブラマン氏。今日ばかりはこれというタイミングで頼れるレアなナイスガイを送り込んでくれるYHVHに感謝するしかありません。気にしてはったら悪いですけど、こんな時はぽっちゃりさんに限ると思いました。安心感が違います。
程なくやせ形のミスタータナカが黒い金属バットを持って登場。
今後は部屋の鍵をかけることになります。
鍵は配布しますので、皆様今後とも変わらぬおつきあいをよろしくお願いします。
SEX中は”Don’t disturb.”の札を出す事にします。
特にコメットさん、鍵用意していますのでご連絡下さい。
私の心は恐怖と不信でズタズタです。
私に優しくするなら今。わかりますか?私に優しくするなら今です。
これを読んで下さっている方が知人かどうかは問いません。
読者の皆さんの最高クラスの同情をお待ちしております。
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